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8
熟田津尓 船乗世武登 月待者 潮毛可奈比沼 今者許藝乞菜
額田王(ぬかたのおおきみ)
熟田津(にきたつ)に、船(ふな)乗りせむと、月待てば、潮もかなひぬ、今は漕(こ)ぎ出(い)でな
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熟田津(にきたつ)で、船を出そうと月を待っていると、いよいよ潮の流れも良くなってきた。さあ、いまこそ船出するのです。
20
茜草指 武良前野逝 標野行 野守者不見哉 君之袖布流
額田王(ぬかたのおおきみ)
茜(あかね)さす、紫野行き標野(しめの)行き、野守(のもり)は見ずや、君が袖振る
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(茜色の光に満ちている)紫野、天智天皇御領地の野で、あぁ、あなたはそんなに袖を振ってらして、野守が見るかもしれませんよ。
23
打麻乎 麻續王 白水郎有哉 射等篭荷四間乃 珠藻苅麻須
作者不明
打ち麻(そ)を、麻続(をみの)の王(おほきみ)、海人(あま)なれや、伊良虞(いらご)の島の、玉藻(たまも)刈ります
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麻続(をみの)の王(おほきみ)さまは海人(あま)なのでしょうか、(いいえ、そうではいらっしゃらないのに、)伊良虞の島の藻をとっていらっしゃる・・・・・
24
空蝉之 命乎惜美 浪尓所濕 伊良虞能嶋之 玉藻苅食
作者不明
うつせみの、命を惜しみ、波に濡れ、伊良虞(いらご)の島の、玉藻(たまも)刈(か)り食(は)む
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命惜しさに、波に濡れながら、伊良虞(いらご)の島の藻をとって食べるのです・・・ 麻続(をみの)の王(おほきみ)が伊良虞の島に流された時、島の人がこれを哀しんで詠んだ歌を聞いて詠んだ歌ということです。
28
春過而 夏来良之 白妙能 衣乾有 天之香来山
持統天皇(じとうてんのう)
春過ぎて 夏来たるらし 白妙(しろたえ)の 衣干したり 天(あめ)の香具山(かぐやま)
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春が過ぎて、夏が来たらしい。白妙(しろたえ)の衣が香久山(かぐやま)の方に見える。
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雖見飽奴 吉野乃河之 常滑乃 絶事無久 復還見牟
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
見れど飽かぬ、吉野の川の、常滑(とこなめ)の、絶ゆることなく、またかへり見む
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何度見ても飽きることの無い吉野の川の常滑(とこなめ)のように、絶えること無く何度も何度も見にきましょう。